Structure and Stability of .ALPHA.-Amylase Inhibitors from the Seeds of Shirohanamame (Phaseolus coccineus L.), Murasakihanamame (Phaseolus coccineus L.), Toramame (Phaseolus vulgaris L.) and Uzuramame (Phaseolus vulgaris L.)

2006 
1. シロハナマメα-アミラーゼインヒビター(SAI-2)は,MAI-2と酵素化学的性質及び物理化学的性質が類似しており,同一のサブユニット構造をとることから,MAI-2と同一の構造である可能性が示唆されている.そこで既に構造を決定しているMAI-2と比較しつつSAI-2の一次構造を検討した.(1)SAI-2は,αとβサブユニットに分離後N末端アミノ酸配列分析を行いその単一性を確認した.また,SAI-2,MAI-2それぞれのサブユニットについてアミノ酸分析を行ったところ,両AIのそれぞれ対応するサブユニットのアミノ酸組成は類似していた.(2)SAI-2とMAI-2のアミノ酸配列をペプチドマップ法にて比較したが,両AIのペプチドマップはα及びβサブユニットともに一致しなかった.しかしながら,αサブユニットではV8プロテアーゼ消化,βサブユニットではキモトリプシン消化後の各フラグメントについてN末端アミノ酸配列分析を行ったところ,両AIの全アミノ酸配列は一致した.(3)SAI-2とMAI-2の糖鎖組成は,両AIのアミノ酸配列が一致するにもかかわらず異なっていた.2. 70℃,pH 5.0における安定性をTAI, UAI, SAI-2, MAI-2の4種のAIについて検討したところ,アミノ酸配列が等しいSAI-2とMAI-2が同じ傾向を示し,同様の関係にあるTAIとUAIが同じ傾向を示した.しかし,一次構造の異なる二組のグループ間ではSAI-2,MAI-2グループの方がTAI, UAIグループより安定であった.従って熱安定性は,AI間における少数のアミノ酸置換により変動するものと考えられた.
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