Clinical effects of erythropoietin administration on renal anemia and the immune system.

1990 
慢性腎不全に伴う著明な貧血 (ヘモグロビン濃度6.22±0.11g/dl: mean±SE) を呈する血液透析患者25例に遺伝子組換えヒトエリスロポエチン (rEPO) を1回3,000U, 週3回8週間投与し臨床効果の評価を行った. また同時にrEPO投与前後においてリンパ球機能等免疫学的検査を実施し, 本剤の免疫系に及ぼす影響について検討した.この結果, 投与1週後より網赤血球数が有意に増加し, 2週後より赤血球数, ヘモグロビン濃度, ヘマトクリット値が有意に増加し, その後さらに増加を続けた. 投与8週後のヘモグロビン濃度は8.22±0.18g/dl (18例) となった. また貧血の改善に伴い自他覚症状の改善・消失, 心胸比の低下等をもたらし, 中止例を除外すると全例が有効であった.免疫学的パラメータに対する影響としては, PPDによる皮内反応試験で投与後, その面積 (長径×短径) が有意に増加し, 細胞性免疫能の改善が示唆された. またリンパ球サブセットOKT3の有意の上昇を認めたが, B-リンパ球数, 免疫グロブリンIgAは有意に低下した. 一方リンパ球幼若化反応およびIL2産生能等その他のパラメータでは変化は認められなかった. これらのことより, 本剤投与による免疫系に及ぼした作用は短期的なものと考えられるが, rEPOの免疫系に対する作用は特異的なものではないことが予想された.副作用は6例に認められたが, 投与を中止した症例は2例であった.
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