有機化合物の pKa と分子軌道法で求めた指標との相関

1990 
有機化合物のpKaあるいは酸,塩基の強さと分子構造の関係についてはこれまで多くの研究がなされているが,いずれも,単独の方法あるいは指標を用いただけで十分満足できるものはない。著者らは今回,半経験的分子軌道法(PPP法,CNDO/2法,Ext-HMO)を用い,従来から利用されている指標すなわち・H+の授受に関与す為原子位置(X)でのπ電子密度(I1)と中島らの提案したイオン化ポテンシャル(ΣQp(pp|XX)δZ)(12)とを組み合わせて線形結合をつくり,指標の重みぬくキ ラをパラメ._..ターとして変化させ,pKaとの相関係数が最大になるような条件下での指標を新しい指標とした。この方法をMCC法(Maximum Correlation Coefficient Method) と名付けた。この方法を用いるとほとんどの場合,単独の指標を用いる場合より相関係数がかなり高くなるが,各化合物群に対して得られた最適化パラメーターの値から逆に基本骨格分子の特定の原子のクーロン積分値の変化量を見積れる可能性も得た(なんらかの補正を要するとしても)。今回,対象とした化合物群は主としてN原子を含む共役系化合物であったが非共役系化合物にも適用できる可能性がある。
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