A Case Report of the Anterior Disc Displacement Patient Utilizing Anterior Therapeutic Position as an Occlusal Position.

2001 
症例の概要: 患者は45歳女性で, 開口制限を主訴に1994年に岩手医科大学歯学部附属病院へ紹介され来院した. 1日に数回右側顎関節に間欠性のロックが生じるが自力でロック解除していたとのことであった. ロック時の開口量は, 上下中切歯切縁間距離で22mmであった. MR画像検査所見では, 右側顎関節の復位性関節円板前方転位が認められた. 1995年, 咬頭嵌合位から2mm前方となる前方治療位で咬合するパーシャルデンチャーにより咬合位を変更させたところ, 開口量は52mmまで増加した. 1996年に行ったMR検査結果および臨床所見から, 関節円板の位置異常もなく下顎の機能も問題ないものと診断した. 1997年にパーシャルデンチャーを紛失したため, 新しく作製したパーシャルデンチャーには, 本来の咬頭嵌合位を咬合位として付与した. ところが, 1998年に右側顎関節の関節円板が再転位し, しかも非復位性となっていることが判明した. パンピングマニピュレーションによる治療を受けた後に, 開口量は28mmから35mmへと増加したものの, 関節円板は整位せず非復位性転位のままであった.考察: 前方治療位から咬頭嵌合位に戻したことが円板再転位の原因と考えられたことから, 本症例では前方治療位を維持させるべきであったものと思われる.結論: 復位性関節円板前方転位により間欠性ロックが長期間に及ぶ場合は, 前方治療位を維持させる必要性が示唆された.
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