GNE ミオパチー(縁どり空胞を伴う遠位型ミオパチー)のシアル酸治療

2016 
◎GNE ミオパチー(縁どり空胞を伴う遠位型ミオパチー)は,GNE 遺伝子変異を原因とする成人発症の遠位型ミオパチーである.若年成人で発症し,緩徐進行性の経過をとり,重症例では四肢麻痺と呼吸障害を呈する常染色体劣性遺伝疾患である.GNE 遺伝子変異がシアル酸生合成低下を生じ,結果として筋萎縮や筋線維変性を引き起こす.わが国での患者数300 名程度と想定される希少疾病であり,治療研究促進ツールとしての患者登録が活用されている.シアル酸補充療法がモデルマウスで治療効果を示したため,創薬に結びついた.希少疾患ならではの困難にも遭遇したが,最近海外の国際共同第Ⅱ相試験が終了し,国内でも第Ⅱ/Ⅲ相試験の開始にこぎ着けることができた.本稿では,GNE ミオパチーの病態解明と治療法開発について述べる.
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