高度な好酸球浸潤と脂肪組織病変を伴い, 慢性に経過するprimary cutaneous cytotoxic T-cell lymphoma
2008
77歳, 女性。約3週間の経過で出現した右前腕外側の潰瘍形成を伴う紅色結節を主訴に受診。組織学的には明瞭な核小体と大型異型核, 好酸性で豊かな細胞質を有する中型から大型の細胞が, 脂肪組織を主坐として真皮上層まで浸潤している。腫瘍細胞は免疫酵素組織学的にCD8, Granzyme B, TIA-1を発現し, CD4, CD56は陰性である。一部の細胞はCD30を発現している。皮膚病巣部から採取された材料においてTCRc β1遺伝子再構成を認める。その後, 約8年間に計7ヵ所の同様の皮膚結節が出現したが, 単純全摘など局所療法のみで経過は良好であり, 自然消退するものもみられた。CD30+anaplastic large cell lymphomaとするにはCD30の陽性率が低く, またsubcutaneous panniculitis-like T-cell lymphomaとするには腫瘍細胞が大型で, 好酸球浸潤・真皮浸潤が強い。以上より, 現在のWHO-EORTC分類ではcutaneous peripheral T-cell lymphoma, unspecifiedとせざるを得ない細胞障害性分子が陽性のcytotoxic lymphomaの1例と考えた。
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