12.高齢者にかかわる問題―高齢者肝癌の手術適応の再考

2020 
超高齢化社会を迎え,高齢者肝細胞癌に対する治療機会が増加傾向にある.高齢者肝細胞癌手術に関する種々の問題点を概説した.また日本肝癌研究会による大規模なコホート研究の結果をもとに,高齢者肝細胞癌に対する手術適応を再考するために手術後の長期経過後の死因について記述した.高齢者肝細胞癌に対する治療戦略は腫瘍因子や肝機能に加えて,生活機能や栄養状態,併存疾患の程度を包括的に評価したうえで個々の患者について慎重に検討すべきである.ただし肝癌手術適応は年齢によって左右されるべきではないものの,高齢者必須の併存疾患に関しては周術期のみならず,術後長期間においてその管理を十分に注意していかなければならない.
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