Diffuse aspiration bronchiolitis (DAB) produced in animals by repeated HCl microaspiration

1994 
高齢者において嚥下性肺炎は特に頻度が高く, その発症要因として微量誤嚥の持つ重要性が指摘されている. 本研究では反復微量誤嚥により肺内に生じる生化学的, 形態学的反応を動物モデルにより検討した. 対象は8~10週齢, 体重200~250gのSD系, SPFラットを用いた. 予め予備実験により最適であることを確認したpH1.4, 0.4ml/kgの塩酸 (H群) または同量の生理食塩水 (S群) を隔日に2週間計7回気管内に経口注入した. 最終回注入1時間後に気管切開し気管支肺胞洗浄 (Bronchoalveolar-Lavage: BAL) を施行した. 気管支肺胞洗浄液 (BALF) 中細胞の組成, BALF細胞によるTNFα産生能を測定した. またBALF中のエラスターゼ様活性, アルブミン値を測定した. 別に同様に処置した動物の肺を切除し25cmH2Oの定圧灌流法によりホルマリン固定しH-E染色に供した. 測定したBALF中の総細胞数, TNFα産生能, アルブミン値はS群, H群の両群間に有意差はなかった. エラスターゼ様活性は両群とも検出限界以下であった. 病理所見ではH群の一部の症例において BALT (bronchial-associated lymphoid tissue) 様のリンパ組織の発達や, ヘモジデリンを貪食する肺胞マクロファージの増加像が塩酸単回注入後の所見に比較し増強していた. さらに一部に細気管支周囲に限局した細胞浸潤が観察され, 肺胞の炎症を伴わない細気管支炎が形成された. この細気管支炎はびまん性に分布することが観察された.
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