ゲル吸着分離/同位体希釈/誘導結合プラズマ質量分析法による鋼中微量ケイ素の定量

1997 
ゲル吸着分離/同位体希釈/ICP-MSにより鋼中微量Siの定量を行った.Siをモリブドケイ酸にしてSephadexゲルに選択的に吸着させ,過剰のモリブデン酸,マトリックスを除去した後にMoを定量することで,質量比で40倍感度が向上した.ゲルに吸着したモリブドケイ酸の溶離には5v/v%アンモニア5mlが最適であった.鋼中にAs,Al,Co,Cr,Cu,Ti,Mnが共存してもSiの定量値は影響されないことが分かった.Pの共存はSiの定量を大きく妨害するが,カラム洗浄液に10w/v%シュウ酸+ 10v/v%硝酸を用い,吸着したモリブドリン酸を分離・除去することで,干渉を抑制できた.本法の定量下限(空試験値の10σ)は試料量0.3gで0.05ppmであった.Siがppm~サブppmの実試料(高純度鉄及び高クロム鋼)においても高精度・高感度な分析ができた.
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