A novel function of plasminogen-binding activity of the NA determines the pathogenicity of influenza A virus

2004 
A型インフルエンザウイルスにおいて赤血球凝集素 (HA) の開裂は感染性に不可欠であるため, HAはウイルスの病原性を決定する重要な因子である. トリインフルエンザウイルスでは, 病原性に関与するHAの役割についてよく調べられてきたが, 哺乳動物由来インフルエンザウイルスでは, ほとんど未解決の問題である. 著者らは, ヒト由来でマウスの経鼻接種において呼吸器以外の多臓器で感染増殖するA/WSN/33 (WSN) 株を病原性解析のモデルとした. 解析の結果, WSN株のノイラミニダーゼ (NA) がシアリダーゼ活性とは関係なく, 細胞表面でplasminogen受容体として機能してplasminへの活性化を促進し, HAを開裂することを見いだした. さらに, NAとplasminogenの結合には, カルボキシル末端のLysの存在と146番の糖鎖付加の欠損が必要であることがわかった. リバース・ジェネティクス法で作製したplasminogen結合活性を欠損させたNAをもつ変異ウイルスは, マウスに対し弱毒化した. これらの結果から, NAのプラスミノーゲン受容体としての新規機能はWSN株の病原性を決定すると結論した.
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