Open abdomen management後にWittmann Patchを用いて閉腹した1例

2011 
緊急開腹手術を必要とする重症外傷および致死的な急性腹症では,時にopen abdomen management(以下OAM)を要するが,その期間が長期になると閉腹に難渋する場合がある。我々はWittmann patchを用いて早期閉腹が可能となった1例を経験したので報告する。症例は58歳の女性。3階からの墜落外傷である。骨盤骨折に対してtranscatheter arterial embolization(以下TAE)施行後,開腹手術を施行。凝固障害・低体温を呈したため骨盤腔ガーゼパッキング+vacuum pack closure(以下VPC)とした。2 post-operative day(以下POD)にdepacking施行もoozing+腸管浮腫のため再packing+VPCとした。3PODにコントロール不能なseptic shockに陥り開腹術を施行,腸管穿孔ないものの大網・小腸に膿が散在しており汎発性腹膜炎の状態で,連日腹腔内洗浄+VPCをベッドサイドで施行した。感染の落ち着いた12PODに2枚のベルクロ付シート(Wittmann patch)を左右筋膜断端に縫合し,連日ベッドサイドでシート断端を引き寄せベルクロで接着固定した。16PODに左右筋膜断端が正中まで達したため,シート除去後通常閉腹を行った。入院後6か月現在,合併症は認めていない。Wittmann patchを用いることで長期OAM後の定型的閉腹を成功させる可能性がある。
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