直腸原発gastrointestinal stromal tumorの1症例

1999 
Gastrointestinal stromal tumor (GIST) は近年提唱された比較的新しい概念である. われわれは直腸原発GISTの1切除例を経験した. また, 過去10年間に当科で経験した直腸平滑筋肉腫4例に対し免疫染色を改めて施行し, すべてGISTであったという結果を得たので若干の文献的考察を加え報告する.症例1は57歳の女性. 腹部膨満, 便秘, 排尿障害を主訴に受診し, 骨盤内腫瘍の診断で入院となった. 各種画像診断を施行後, 手術を施行した. 開腹にて腫瘍は直腸原発と判断し, 直腸切断術を施行した. 病理学的にはHE染色で紡錘状腫瘍細胞が索状に交錯し増殖していた. 各種免疫染色にてGIST, uncommitted type, malignantと診断した.現在はGISTという概念が浸透し始めている時期であり, 今後更なる検討が必要な疾患であると思われた.
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