Enhancement of Human Fibroblast Growth and Other Dermatological Effects Induced by Cell Extract from Heat-Shocked Blue Green Alga (Cyanobacteria)
2004
熱などの環境ストレスによって細胞中に一群の熱ショックタンパク質 (HSP) が蓄積されることが知られている。これらのHSPはストレスによるタンパク質の変性を防いだり修復したりすると考えられている。近年HSPを前もってヒト皮膚細胞中に蓄積させておくと, 細胞の紫外線に対する防御力が上がるという報告もある。そこでわれわれは苛酷な環境下に生息する生物である好熱性の藍藻に熱ショックを与え, HSPを蓄積させた細胞について化粧品原料としての有用性を検討したので報告する。好熱性藍藻は55℃の温泉から採取されたもので, 研究室では50℃で培養している。培養した藍藻をガラスビーズで破砕して得た抽出物には, SOD様活性と過酸化脂質生成抑制作用が見られた。われわれは熱ショックを与えた藍藻の抽出物にも, 強いSOD様活性と過酸化脂質生成抑制作用があることを見出した。さらにこの抽出物のSOD様活性は, 抽出物を70℃で1時間加熱してもほぼ残存していることがわかった。最も注目すべきは熱ショックを与えた藍藻の抽出物には線維芽細胞増殖作用が見られたことである。線維芽細胞増殖作用は通常の50℃で培養した藍藻から得た抽出物では見られなかった作用である。熱ショックを与えた藍藻の抽出物は, 限外濾過によって分画してさらに解析したところ分子量1万-3万の画分に強い線維芽細胞増殖作用が見られた。これらのことから熱ショックを与えた藍藻の抽出物は抗酸化作用と線維芽細胞増殖作用を併せ持ち, 抗老化化粧品の原料として有用であると考えられる。
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