成人男性にみられた膵臓のsolid pseudopapillary tumorの1例

2006 
症例は41歳の男性で, 心窩部痛を主訴に, CTで膵体尾部の. 胞性腫瘤を指摘された. CT・MRCP からsolid pseudo-papillary tumor (以下, SPTと略記) が疑われ, 膵体尾部脾切除術を施行した. 腫瘍は4.7×3.0×4.3cmで線維性被膜を有し, 被膜外に石灰化がみられ, 腫瘍内部では出血や壊死を伴う充実性部分と. 胞部分が混在していた. 組織学的には被膜外の充実性部分に軽度異型性の腫瘍細胞が充実性に増殖しており, 内部の充実性部分にも同様の細胞が偽乳頭状・小胞巣状に増殖していた. 軽度のリンパ管浸潤と神経周囲浸潤がありmalignant potentialをもつSPTと診断した. SPTは比較的良好な経過をたどる腫瘍であるが, その10~20%に悪性例を認め治療の原則は外科的切除である. 若年女性に多いことで知られる疾患であるが, 本症例のごとく成人男性にも発症することがあるので注意が必要である.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    5
    References
    1
    Citations
    NaN
    KQI
    []