The Japan Balance Study: Evaluation of peritoneal dialysis fluid with neutral pH and low levels of glucose degradation products in peritoneal dialysis patients

2009 
腹膜透析(PD)における中性化・低グルコース分解物透析液(中性液)の生体適合性について,多施設共同研究を行った.対象は全国49施設の128名のPD患者で,新規PD導入の40名(I群),従来型酸性液(酸性液)から中性液に変更されたPD患者88名(II群)とした.中性液はステイセーフ®バランスが使用された.サブグループとして,II群の内,非糖尿病の患者49名をPD期間3年未満群:28名,および以上群:21名に分けて検討を行った.測定項目は線維化マーカーとして,排液プロコラーゲンIペプチド(PICP),排液ヒアルロン酸(HA),中皮細胞マーカーとして,排液腫瘍マーカー抗体125(CA125),排液中皮細胞面積,グルコース分解物濃度として排液および血清3-デオキシグルコゾン(3-DG),終末糖化産物として,排液および血清遊離ペントシジン(f-PEN)と総ペントシジン(t-PEN)を中性液使用後0,3,9,15,21,27か月に測定した.線維化マーカーはI群,II群ともに変化はなかった.CA125はI群に変化はなく,II群では上昇した.中皮細胞面積はI群に変化はなく,II群で低下した.排液および血清3-DGはI群に変化はなく,II群で低下した.排液f-PENおよびt-PENはI群,II群ともに変化はなかった.血清f-PENおよびt-PENはI群に変化はなく,II群で低下した.II群サブグループの検討では,PD期間と血清f-PENおよびt-PEN濃度は正相関した.蓄積した血中ペントシジンの中性液による除去には15から21か月程度を要した.今回の研究で,中性液の使用により線維化マーカーは変化せず,中皮細胞マーカーは改善した.ペントシジンは除去されたが,除去には長期間を要することから,中性液の早期よりの使用が望ましいことが示唆された.中性液は生体適合性に優れ,酸性液から中性液への変更例でも効果が得られた
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