大動脈炎症候群による異型大動脈縮窄症に対し,上行大動脈 : 腹部大動脈バイパスと両側腎動脈再建を行った1治験例

1995 
症例は16歳, 女児. 主訴は拍動性頭痛と両下肢の間歇性跛行. 大動脈炎症候群による異型大動脈縮窄症, 両側腎動脈狭窄, 腎血管性高血圧と診断した. 手術は上行大動脈と腎動脈以下腹部大動脈に14mmの woven Dacron 人工血管でバイパスを行った後, 両側の腎動脈のバイパスを行った. 術後は高血圧, 頭痛, 間歇性跛行は消失した. 術後3年で行った血管造影では右腎動脈に用いた4mmのEPTFE人工血管は閉塞していたが, 左側に用いた5mmの Sauvage, Bionit 人工血管は良好に開存していた. 本症における上行大動脈-腹部大動脈ロングバイパスは手術手技が比較的容易で治療効果は良好であった. 小口径 Sauvage, Bionit 人工血管は腎動脈バイパスに有用であった.
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