大根のO-Diphenol Oxidase活性とL-アスコノレビン酸の関連性に関する研究

1970 
大根にはいろいろの酵素が既に見出されているが, まだpolyphenol oxidaseの存在については明らかではない。著者らは大根にo-diphenol oxidaseが含まれていることを明らかにし, 新鮮な組織中では多量に含まれるAAH2によって酵素活性が抑制されていることを認めた。そして大根オロシにして放置するとAAH2は空気酸化を受けて破壊され, それに伴って本酵素が活性化されて着色することが分ったので, これについて検討し次の結果を得た。1) 大根の各部位による総AAH2量は, 各部位とも著しい差異を認めなかったが, 大根オロシを調製し, これを汁液と残渣に分けると汁液にはAAH2量が総AAH2量の約1/2量を占めるに反して残渣では非常に少なかった。2) 大根オロシを放置すると赤桃色になるが, この着色化はdopaを添加すると黒色となり, その作用はo-diphenol oxidaseによるものと思われた。3) この着色化はAAH2を余り含まない大根オロシ残渣に顕著であることから新鮮組織における着色物質の形成はAAH2の存在によって強く抑制されている。4) 大根に含まれるo-diphenol oxidaseを硫安分画とSephadex G-25によるゲル炉過法により精製し, ディスク電気泳動法によりほぼ単一であることを認めた。5) この精製酵素はdopaのみを基質として作用し, AAH2のほかcysteine, glutathioneなどの還元剤により着色物質の形成が著しく抑制され, KCNによっても同様に阻害された。またCu++の添加により著しく活性化された。6) 精製酵素における酵素活性はAAH2により強く抑制され, AAH2の減少に伴って着色化が起きた。また大根オロシの着色化もAAH2の減少によることが分った。
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