大型3型/4型/Bulky N2進行胃癌に対するTS-1+CDDPを用いた術前化学療法の経験

2005 
【目的】大型3型(径≧8cm)4型胃癌,あるいはBulky N 2を有する進行胃癌に対する術前化学療法(neoadjuvant chemotherapy:NAC)の治療成績を検討した。【対象】年齢75歳以下で,術前画像診断にて根治切除可能と判断された症例を対象とした。NAC のregimenはTS-1 80〜120mg/bodyを1〜21日経口投与し,CDDP 60mg/m2を8日目に点滴投与し,1コース4週×2コース終了後21〜34日に胃切除+D 2以上リンパ節郭清を行った。治療完遂率,手術摘出標本の病理組織学的効果判定について検討した。【結果】検討対象となった症例数は10例で,その平均年齢60.7歳,治療完遂率8/10例(80%)であり,切除標本の病理組織学的診断にてGrade2の診断が得られたresponderは5例であり,response rateは50%であった。responder 5例のうちの2症例はNAC によるdown staging が病理組織学的に評価できた症例であり,1例はStageIIIA からStage㈵A へ,別の1例はStageIVからStage㈵A にdown staging されたと推察される。non-responderの5例中3例が再発しており,そのrelapse free interval(RFI)の平均値は238日であった。一方,responderの5例中では1例が術後331日で再発を認めたが,他の4例はいまだ再発を認めていない。【結語】大型3型/4型/Bulky N 2進行胃癌に対するTS-1+CDDP のNAC は有効と考えられるが,その真価を確認するために手術単独療法とのphase III studyの必要性がある。
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []