Efficacy of Breast Cancer Screening by Ultrasonography.

江戸川区では公費乳癌一次検診に全例超音波検査 (以下, US) による画像診断を視触診と併用して行っている。施設検診における江戸川区公費乳癌検診の7年間の成績をもとに, 乳癌一次検診におけるUSの有用性について検討した。対象は江戸川区在住の30歳以上の女性約16万人のうち平成2年4月～平成9年3月に受診した延べ36,972例である。検診は視触診とUS, 乳頭異常分泌のある受診者には細胞診検査を行った。視触診は, 当医師会の会員医師が当番制で行い, USは, 日本超音波医学会認定の超音波検査士6名で行った。発見乳癌190例, 早期乳癌103例, 乳癌発見率0.51%, 早期乳癌比率54.2%, sensitivity90.5%, 早期非触知乳癌率38.8%であった。年代別では, 40歳代が発見乳癌 (39.5% : 75/190), 早期乳癌 (40.8% : 42/103) ともに最も多かった。USを用いた乳癌検診は乳癌発見率, 早期乳癌比率, sensitivity, 早期非触知乳癌率が全国平均と比較して高く, 特に40歳代を中心とした若年層に重点をおいた乳癌検診に有用であった。