Arias-Stella reactionの細胞学的検討

1991 
子宮内膜妊娠様変化, 特にArias-Stella reactionの細胞像を検索するために, 子宮内膜吸引細胞診と内膜全掻爬術を行い, 病理学的にArias-Stella reactionの診断がついた, 妊娠2ヵ月遷延流産2例 (過分泌型1, 再生増殖型1), 侵入奇胎1例 (再生増殖型), 右卵管の絨毛癌1例 (過分泌型) の子宮内膜細胞像を検討し, 以下の細胞学的所見を得た.(1) 核は大型核である.(2) 核型は円, 卵円形が多いが, 不整形や陥入像を有するものまである.(3) 核内所見は, 核膜に溝やしわをもち, 大小不同を認めるが, 核膜肥厚がなく, クロマチン顆粒が微細顆粒状で, 核小体のめだたない軽度異型をもつもの (過分泌型, 再生増殖型) から, 核膜肥厚, 明瞭な核小体を認め, クロマチン顆粒の増量のある悪性細胞と鑑別が必要な高度異型をもつもの (再生増殖型) まで出現する.(4) 細胞質は豊富でシート状または蜂巣状である.また, 軽度重積を示すものも認められるが, 細胞質境界明瞭なモザイク配列を示す.(5) 過分泌型では, 背景に赤色粘液顆粒が豊富にある.
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