基礎医学の教育・研究の過去,現状,課題

2016 
◎基礎医学の教育は,2001 年のモデル・コア・カリキュラムによってそれまでの学問分野別からの転換を迫られたが,かならずしも臓器系統別に移行したわけではない.2013 年からCBT を含む共用試験がStudentDoctor 認定証の要件となって,実質的に第一次の医師資格試験となり,モデル・コア・カリキュラムに沿った教育がより強く求められている.その一方で,国際基準による認証のための評価基準では,学問分野に基づく教育が是認されている.学問分野別と臓器系統別のどちらをとるべきかが判然としなくなっている.近年は研修医必修化などの影響で基礎研究を志向する医学生が激減しており,その対策が文科省の支援により,また各大学独自の企画によりはじまっている.医学教育の歴史において,18 世紀以前は,医学理論と医学実地,19世紀以降は基礎医学と臨床医学が大きな柱となっている.基礎医学は臨床医学と表裏一体であり,基礎医学の裏づけなくして臨床研究の発展もなく,臨床医学への関与なくして基礎医学の持続的な発展もありえない.
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