体性感覚発作・麻痺性発作から感覚性ジャクソンマーチ, さらに補足運動野発作を呈した静脈性血管腫を病因とする1症例

1995 
静脈性血管腫を病因とする特異な一連のてんかん発作を呈する症例を経験したので報告する。症例は25歳の女性。6歳時より、左足底部の異常感覚から始まり、四肢の強直間代けいれんに至る発作が25歳入院時まで頻回に出現していた。強直間代けいれんの間、意識は保たれていることが多かった。画像所見より右頭頂葉の静脈性血管腫が認められ、臨床症状と脳波所見より以下の発作の進展機序が考えられた。右頭頂葉の静脈性血管腫を病因とする左下肢の異常感覚と麻痺性発作が長時間続き (非けいれん性部分発作の重延状態)、その後、瞬時に異常感覚が左下腿、大腿部に広がり (ローランド体性感覚野の感覚性ジャクソンマーチ)、つぎに補足運動野を巻き込み、四肢の強直間代けいれんを生じる補足運動野発作に至ったと考えられた。本例は画像診断学的にも発作の進展機序の考察においても興味ある症例と思われる。
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