Intramuscular lipid compositions of Large White, Berkshire and Duroc pigs.

1992 
肉豚の脂質組成の差異を明らかにするため, 大ヨークシャー種, バークシャー種およびデュロック種の胸最長筋, 大腿二頭筋および半膜様筋から抽出した全脂質を, 高性能薄層クロマトグラフィーを用いて分画し, デンシトメトリーによって脂質成分の定量を行い, 次の結果を得た。1. 本実験において検出された脂質成分は, 中性脂質区分ではトリアシルグリセロール, 遊離脂肪酸およびコレステロールであり, リン脂質区分ではフォスファチジルエタノールアミン, フォスファチジルコリン, スフィンゴミエリンおよびリゾフォスファチジルコリンであった。2. 大ヨークシャー種, バークシャー種およびデュロック種に共通して最も多く含まれる成分は, トリアシルグリセロール: 約63~85%であり, ついでフォスファチジルコリン: 約10~23%, フォスファチジルエタノールアミン: 約2.3~6.0%, コレステロール: 約1.3~3.3%, スフィンゴミエリン: 約0.7~1.7%, 遊離脂肪酸: 約0.5~1.7%, リゾフォスファチジルコリン: 約0.05~0.44%であった。また, 中性脂質区分ではトリアシルグリセロールが約92~98%を占め, リン脂質区分ではフォスファチジルエタノールアミンおよびフォスファチジルコリンの2成分が約92~94%を占めた。3. デュロック種は大ヨークシャー種およびバークシャー種と比較して, 中性脂質区分とトリアシルグリセロールの割合が高かったが, その他の脂質構成成分の割合は低かった。4. 大ヨークシャー種とバークシャー種の間では, 大腿二頭筋および半膜様筋の脂質組成に顕著な差はなかったが, 大ヨークシャー種の胸最長筋ではトリアシルグリセロールの割合が有意に低く, 従って他の構成成分はバークシャー種よりも高い傾向を示した。5. リン脂質区分に占める各リン脂質構成成分の割合は3品種間で顕著な差はみられなかった。以上の結果から, 大ヨークシャー種, バークシャー種およびデュロック種の3品種間にはトリアシルグリセロールの蓄積量の相違に基づくと考えられる差異が存在するものの, リン脂質区分における各成分の差は比較的小さいものと考えられた。
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