遺族の声を臨床に生かす~J-HOPE 研究(多施設遺族調査)からの学び~【4】:看取り前後のケア

2014 
【付帯6】臨終が近くなるにつれて,患者や家族に対するケアはより重要となります.看取りの時期におけるケアは,愛する家族や親しい人々とのかかわりの中で,患者が穏やかな死を迎えられるように配慮していくことが大切になってきます. 患者の臨終前後で,家族が求める望ましいケアとはどのようなケアなのでしょうか? ホスピス・緩和ケア病棟で死別を経験した遺族を対象としたJ-HOPE 研究の結果をもとに,臨終前後の患者に対する望ましいケアについて検討していきます.  【付帯7】終末期を迎えたがん患者の多くは,病状が進んでくると,病気そのもののために徐々に食事や水分を摂る量が少なくなります.一方で,家族の多くは,患者が水分や栄養が摂れなくなることに対し苦痛を経験しています.本稿では,緩和ケア病棟で亡くなったがん患者の遺族353 名のアンケート結果から,終末期がん患者において水分・栄養摂取が低下したときの家族に対する望ましいケアについて検討していきます.  【付帯12】死前喘鳴は,看取りが近い時期に特徴的な症状であり,咽頭部のゴロゴロ音として観察されます1).死前喘鳴は死亡数日前~数時間前に特徴的な症状の1 つで,終末期がん患者の23~92%2,3)が経験し,その家族の80%が苦痛を体験するといわれています.死前喘鳴のケアでは,喘鳴を聞いた家族の苦痛へのケアが時に焦点となります.
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