チロシンキナーゼ阻害剤:c−met

2008 
c-metは肝細胞増殖因子(HGF,SF)の受容体として細胞の遊走,浸潤,増殖,生存や形態形成に重要な働きをしている.さまざまな癌でc-metの過剰発現が報告されており,c-metの過剰発現と予後不良との関係が報告されている.c-metは癌組織では腫瘍増殖や浸潤,血管新生を促進し,腫瘍の増殖・転移に関与していることから,癌のあらたな治療標的として注目されている.現在,c-met阻害剤としてARQ197,XL880,PF-02341066などが開発されており,それぞれc-metに対する特異性が異なる.それぞれの薬剤に対し現在臨床試験(第II相試験,第III相試験)が行われており,その効果が示されつつある.今後,他の分子標的治療や化学療法との組合せにより,癌の種類に応じたより有効な治療法が開発されるものと思われる.
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