血液透析用loop e-PTFE fistulaに発生したperigraft seroma (血清腫) の1例

1991 
患者は, 73歳男性, 1986年12月血液透析を導入した. 頻回のblood accessトラブルの末, 1990年2月左前腕にe-PTFEループグラフトを移植した. E-PTFE移植後9か月頃に, 左肘関節の腫瘤を認め, その後徐々に増大傾向にあるため, 1991年3月腫瘤摘除術を行った. 腫瘤は, 動脈側吻合部付近に存在し, 灰白色の被膜に包まれた乳白色半透明なゲル状物質であり, perigraft seromaと診断された. 病理組織学的には, 線維性被膜に覆われた嚢状病変で, 嚢内には細胞成分はなくフィブリンに一致する網状物質を認めた. 術後は, 良好に経過し現在なお定期的観察を行っている.患者は, 腎性貧血を認め, グラフト平均血流量1,000ml/minと著しく高血流であったが, これらがseroma発生の要因になったものと考えられた.
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