術前化学放射線療法が奏効し切除可能となったNo. 7リンパ節転移を伴った食道胃接合部扁平上皮癌の1 例

2013 
患者は59 歳の男性で,内視鏡検査で食道胃接合部に不整形の潰瘍性病変を認め,生検で扁平上皮癌と診断された。腹部CT でNo. 7 リンパ節の腫大を認め(直径40 mm),膵浸潤が強く疑われた。cStageⅣa で根治切除が困難である可能性を考慮し,術前化学放射線療法として5-FU およびCDDPによる化学療法2 コースと40 Gyの放射線外照射を行った。化学放射線療法後の内視鏡検査では原発巣は浅い陥凹性病変となり,CT ではNo. 7 リンパ節は著明な縮小を認めた。化学放射線療法後35 日目に経裂孔的下部食道噴門側胃切除を行った。病理組織学的検査所見では,原発巣,リンパ節転移巣ともにpCRで,術後3 年を経過して無再発生存中である。食道胃接合部の扁平上皮癌に対する術前化学放射線療法のエビデンスは少ないが,本例のような進行癌症例に対してtrimodality therapyは有用な治療選択肢となり得ると考えられた。
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []