顔面神経・下顎骨を保存する側頭下窩・中頭蓋底へのアプローチ

2008 
副咽頭間隙原発の腫瘍性病変に対して,当センターでは経外側頸部切開(cervical approach)での剥離・摘出を基本としているが,腫瘍の頭側である頭蓋底面の操作は盲目的にならざるを得ず,さらに上方に中頭蓋底骨を巻き込んでいたり,側頭下窩にひろく大きな病変においては,術中温存する顔面神経のため,十分な視野を得られないことが問題であった。このような症例には,我々は口腔よりの経頬粘膜切開(anterolateral retromaxillary pathway via gingivobuccal sulcus),あるいは冠状皮膚切開から経側頭開頭(subtemporal approach)のアプローチ を追加することで顔面皮切を回避し,顔面神経,頬骨弓,下顎骨を温存した切除を心掛けている。腫瘍摘出後の死腔には,症例個々に適した局所,あるいは遊離皮弁を選択・充填する。その手術手技を解説した。適応は主に良性腫瘍であるが,低悪性度の腫瘍にも有用であった。
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    3
    References
    1
    Citations
    NaN
    KQI
    []