Collagen induced platelet aggregation in chronic hemodialysis patients

1985 
血液透析患者における出血傾向の大きな原因として血小板機能の障害が考えられている.今回我々は, 血液透析患者のコラーゲンによる血小板凝集能およびガラスビーズへの血小板粘着能を測定し, 健常人との比較, 透析前後での比較を行った.健常人7例 (男子2例, 女子5例) と維持透析患者11例 (男子2例, 女子9例) を対象とした.PRPの血小板数を5×104/mm3~35×104/mm3, コラーゲン濃度を1~10μg/mlまで変え, 血小板凝集能を測定した.健常人, 透析患者ともに最大凝集率がプラトーに達する測定条件は, PRPの血小板数25×104/mm3, コラーゲン濃度5μg/mlであり, これを至適測定条件と考えた.至適条件で測定した結果, 透析前では健常人との間に有意の差は認められなかったが, 透析後では最大凝集率と最大凝集角度が健常人および透析前に比べ有意に低下した.血小板粘着能は透析前が5.3%と著しい低値を示したが, 透析後は15.3%と正常下限まで改善した.粘着能測定時のヘマトクリット (Ht) は透析前が27%, 透析後が31%と4%増加しており, 透析後の粘着能の増加はこのためかもしれない.血小板数は透析前が15×104/mm3, 透析後が17×104/mm3と有意の変化を示さなかったが, Htより計算した血液濃縮度を考慮すると, 血小板は透析中に約16%減少したことになる.以上の結果より, 透析患者のコラーゲンによる血小板凝集能は健常人に比べ, 透析前では低下していないが, 透析後に低下する事が明らかになった.その原因として透析回路による血小板の破壊, 吸着が考えられた.
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