CapeOX が奏効した大腸癌術後多発肝転移の1 例

2013 
症例は60 歳台,女性。2 型糖尿病にて当院内科フォロー中。便潜血反応陽性にて下部消化管内視鏡検査を施行し,RS中心の2 型腫瘍指摘。生検にて直腸S 状結腸部癌の診断。遠隔臓器転移なく腫瘍マーカー陰性であった。2010 年1 月腹腔鏡下前方切除術施行。病理組織診断にてpSS,n2(+)(4/29)のfinal Stage IIIb,また切除検体に径5 mm 大のcarcinoid tumorも含まれていた。補助化学療法を強く勧めたが,拒否。以降定期的な外来経過観察の方針となった。術後半年の腹部造影CT検査にて多発肝転移・肺転移を認めた。K─ras 遺伝子は変異型。転移巣はいずれも切除可能であり,治療方針としてそれら血行性転移巣に対する切除と化学療法の各方針を呈示したが,手術を拒否。化学療法としてCapeOX+BV の方針となった。投薬後4 サイクルで縮小傾向が認められ,8 サイクルでPR となった。投薬開始後約1 年の経過で投薬時のみの高血圧症が出現するようになりBV を中止。以降blue liver 傾向となりGrade 1 の肝機能障害を認めた。投薬を継続していたが,L─OHP による末梢神経障害が出現しプレガバリンにて対応したが,調節不良であったためにL─OHP を休薬としcapecitabine のみの投薬を行った。32 サイクルにて多発肝転移巣は瘢痕様のみとなり,残存腫瘍はほぼ認めなくなった。しかし肺転移巣はNC であった。術後6 か月の再発診断から肺の転移巣も切除可能な病変であり,改めて手術を勧めるも未だに拒否を続けている。しかし転移巣の再燃は認めず,現在も投薬継続中である。
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