Safety and efficacy of interferon-beta therapy for hemodialysis patient with HCV
2009
維持血液透析患者のC型肝炎ウイルス(HCV)感染率が高いことは知られており,最近HCV感染が予後規定因子であるといわれている.しかし未だ血液透析患者における安全で効果的なインターフェロン(IFN)投与法は確立されていない.維持血液透析患者2名に副作用が少ないIFN-βを中長期間(24週,2年)投与し,薬物動態,投与法,安全性,治療効果について検討した.1例目は38歳男性,高ウイルス1型.初回2週間連日点滴静注し以降は透析日のみ投与した.透析日は内シャント静脈ラインから透析開始直前30分でIFN-β 600万単位を投与した.早期ウイルス学的陰性になったが治療後ウイルスの再増加がありIFN-βを再投与した.再治療は1週間連日点滴静注し以降は透析日のみ投与した.投与法を透析開始直後30分に変更し血液透析回路から投与した.2年間投与で特に副作用もなくHCV-RNA定性検査陰性となったが,持続ウイルス学的陰性は得られなかった.開始直後30分投与のCmaxは262±41 pg/mLと開始直前30分投与のCmax 214.7±38.25 pg/mLよりやや高いが透析中の約4時間で体内から消失し蓄積はなかった.2例目は58歳男性,低ウイルス量2型.1例目再治療時に準じてIFN-βを透析開始直後30分で24週間投与し持続ウイルス学的陰性を得た.血圧低下にIFN-βの関与を疑い8週目から300万単位に減量し改善した.Cmaxは600万単位投与で259±43.9 pg/mL.300万単位投与で143.5±5.09 pg/mL.ほかの副作用はなかった.IFN-α製剤は副作用のため治療継続,長期投与が困難であるがIFN-βはそれを可能にする.血液透析開始直後30分投与は安全面,治療効果において優れた投与法である.
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