NAC 後に根治術を施行し腹膜播種転移に対してNivolumabで長期無増悪生存中の胃癌の1 例

2020 
症例は64 歳,男性。胃癌,UM,Type 3 の診断で手術を施行したが,膵浸潤により試験開腹に終わった。化学療法の一次治療としてS-1+CDDP 療法を施行したが,腎機能低下と血小板減少により4 コースで中止となり,二次治療としてpaclitaxel+ramucirumab 療法に変更して7 コースを施行した。いずれもday 15 は好中球減少のために休薬となるも,CT画像で胃と膵臓との境界が明瞭化し,無事に胃全摘術を施行し得た。手術5 か月後にCT 画像上,単発の腹膜播種転移巣が出現したため,三次治療としてnivolumab療法を開始した。33 コースを終えた現在,無増悪生存中である。胃癌においては切除不能例でも化学療法を適宜変更しながら継続することで,病勢制御が可能になることもあると考えられた。また,nivolumabに関しては極めて重篤な有害事象も報告されているため,長期投与の際は間質性肺炎や甲状腺,副腎機能などをこまめにチェックする必要があると考えられた。
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