Clinicopathological reevaluation of squamous cell carcinoma of the lip

2005 
口唇部に生じた有棘細胞癌 (SCC) は転移しやすく, 生命の危険性が高いとされる。ところが, その臨床症状と病理所見を正しく捉え, 早期に適切な治療が行われていない可能性がある。自験2例を通して, 皮膚科初診から手術までの経過を検討した。2例とも臨床的にSCCを疑われ, 複数回の皮膚生検を施行されたが, 長い間皮膚癌の診断はなされなかった。その結果, 1例は脈管侵襲と肺転移を生じ, 他の1例は筋層浸潤という予後不良なSCCとなった。したがって, 口唇部SCCの病初期は臨床症状および病理所見が良性と誤られることがあると知るべきである。すなわち治療が遅れがちとなることが口唇部SCCの予後の悪さを引き起こしていると思われる。臨床症状の腫瘤形成と, 病理所見の細胞異型が弱い点は要注意であり, Verrucous carcinomaと診断されることがしばしばある。このような症例はやがて時間の経過とともに悪性度を増し, 重症化するものと推測した。
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