Possible mechanisms of LDL apheresis for pediatric patients with steroid resistant and refractory nephrotic syndrome

2010 
一部の小児ステロイド抵抗性・難治性ネフローゼ症候群に対してLDL吸着療法 (LDL-A) は有効ではあるが,その効果機序は不明な点も多い。そこでLDL-Aの効果機序を明らかにする目的で,マイクロアレイ法,リアルタイムPCR法を用いて末梢血単核球 (PBMC) 中のmRNA発現を検討し,LDL-Aの効果機序に関連すると思われる候補遺伝子を抽出した。これらのうち,GZMB (グランザイムBをコードする遺伝子) に注目し,ステロイド感受性ネフローゼ症候群 (SSNS),ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群 (SRNS),コントロールを対象に,panT (CD3) 細胞におけるグランザイムB蛋白発現をフローサイトメトリー法で解析した。その結果,SRNSにおいてグランザイムB陽性T細胞は有意に増加していた。グランザイムBによるパーフォリン非依存性で “extraceller” な障害機序が注目されていることから,循環しているT細胞中のグランザイムBが糸球体濾過障壁を障害してSRNSの病態に関与している可能性,そしてLDL-Aの効果機序として,LDL-AによるグランザイムB発現制御が関与している可能性が示唆された。
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