ホールセル・パッチクランプ法を用いた圧受容器反射を有する延髄尾側腹外側野(CVLM)ニューロンの検討

2012 
延髄尾側腹外側野(CVLM)ニューロンは交感神経活動,血圧調節において延髄吻側腹外側野(RVLM)ニューロンに抑制性に働きかける点で,重要な役割を担っている.しかし,実験法の困難さもあり,CVLM ニューロンの発火パターン,細胞内電位,薬剤感受性などは研究されていない.そこで本研究では,CVLM 領域内で圧受容器刺激により興奮する“圧興奮性CVLM ニューロン”の膜電位を記録し,同ニューロンの発火パターン,アンジオテンシンⅡ(AngⅡ)に対する感受性を調べた.その結果,記録したCVLM ニューロンは圧依存性に興奮し,発火パターンはすべて不規則に活動電位を生じる不規則発火型を呈した.AngⅡに対しては14 細胞中10 細胞で膜電位の脱分極を認めた.また,他のニューロンからの入力を遮断するために,人工脳脊髄液のCa,Mg 濃度を調節した“低Ca 高Mg 溶液”を灌流したところ,すべての細胞(n=7)において過分極し,発火は消失した.同溶液の灌流下でAngⅡを加えたところ,7 細胞中6 細胞で膜電位の変化は認められなかった.以上より,圧興奮性CVLM ニューロンは自発発火を有するものはきわめて少なく,また,AngⅡに対して同ニューロン自体の多くは反応性に乏しいと考えられた.
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