Absorption and Fixation Rate of Carbon Dioxide by Rock Weathering

2010 
二酸化炭素問題の対策技術の一つとして,資源量が豊富である岩石の風化反応に注目した.しかしながら,岩石を利用する対策技術では,その風化反応速度は遅く,その反応速度がネックになると予想される.本研究では,基礎的知見を得るために,様々な珪酸塩鉱物について,速度論的検討を行った.実験は,二酸化炭素飽和水を用意し,粉末状の鉱物を加え,恒温槽内(25°C)で撹拌を行いながら,二酸化炭素を流し続けた.そして,一定時間経過後,一定量採取し,手早くろ過し,ろ液からの再沈澱を防ぐために硝酸を加え,液中の主成分元素を定量した.溶解反応は,瞬間的な溶出過程・一次的な濃度増加過程・風化反応の平衡からなることがわかった.さらに,風化反応の律速段階は,鉱物表面上に存在することから,風化反応速度を表面積当りの溶解速度として求めた.速度は2.1×10−5–7.3×10−4 mol/(m2· h)の範囲であり,中でもCaを主成分とするCaSiO3,CaCO3の溶解速度が速いことがわかった.
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