日本でのCOVID-19に対するECMOの現状─日本ECMOnetレジストリ・データからみえてくるもの

2021 
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,わが国において複数回の患者急増をきたした.COVID-19 急増対応では,災害医療に準じた情報管理が重要となる.NPO 法人日本ECMOnet は,重症COVID-19 患者を対象としたCRISIS というオンライン・レジストリーを立ち上げた.2020 年2 月~2021 年9 月までに1,111 名のECMO 症例が登録され,生存離脱667 名(60%),死亡319 名(29%),現在もまだ治療中が125名(11%)である.生存率は68%(667/986 名)であり,これはELSO の成績(生存率43~49%)よりも良好である.この違いの背景には,医療逼迫度,患者選択,集約化,治療プロトコール,変異株など,さまざまな要因が関与している可能性がある.今後も治療成績を維持・向上させるためには,成績向上につながる要因を解明し,将来に備えることが重要である.
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