MD-CTによる主膵管·動脈同時構築像を用い切離線を決定した混合型IPMNの一例

2009 
症例は61歳,男性.2年前から膵体部に嚢胞を指摘されていた.腹部USで膵体部の嚢胞増大と壁在結節を認め紹介入院となった.EUSで体部主膵管内に5.5mmの壁在結節を認め,その近傍に嚢胞を認めた.膵実質浸潤は認めなかった.ERPで膵尾部と膵頭部は膵管分枝が良好に造影されたが拡張した体部主膵管は約6cmにわたり分枝膵管は不描出であった.Multidetector row CT(MD-CT)による動脈と主膵管の3D構築像で頭側主膵管は胃十二指腸動脈が走行する位置から,尾側は大膵動脈の起始部まで膵管拡張を認めた.膵体部に壁在結節を伴う混合型Intraductal papillary mucinous neoplasm(IPMN)の診断で膵中央切除術を施行した.膵尾部を大膵動脈の位置で離断後,頭側にむかい膵実質を剥離していき,胃十二指腸動脈が走行する部で切離した.病理組織学的に主膵管内の結節から連続して主膵管および分枝膵管まで上皮内進展を呈しており,Intraductal papillary mucinous adenomaの診断であった.MD-CTによる主膵管·動脈同時構築像により切離線を決定し,根治術が施行できた.
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