Spectrophotometric Flow-Injection Analysis of the Total Base Number and the Total Acid Number in Lubricants Containing Both Acid and Base Compounds.

2003 
非水溶媒を用いた酸-塩基緩衝液を利用するフローインジェクション/吸光光度分析法による潤滑油の全塩基価及び全酸価測定法を提案した.本法は,潤滑油中の酸性あるいは塩基性添加剤と酸-塩基緩衝液の中和反応によって引き起こされる指示薬の吸光度変化を測定するものである.全塩基価の測定のときは,潤滑油試料を非水溶媒のキャリヤーに注入し,HClO4の流れと混合させる.このとき試料中の塩基性添加剤はHClO4によって中和される.中和反応後,過剰なHClO4の流れは続いて指示薬m-クレゾールパープル(m-CP)を含むトリフロロ酢酸テトラブチルアンモニウム塩(TFA•TBA)溶液の流れと合流し,吸光光度検出器に導入される.三つの流れが合流することにより,TFA/TFA•TBA緩衝液の組成が変化する.この組成変化は酸型m-CP(536 nm)の吸光度変化を引き起こす.この吸光度変化を吸光光度検出器で測定し,塩基試料に対するピークを得た.Caスルホネートなど数種の塩基試料について,濃度とピーク高さの間に同一の検量線が得られた.本法により,塩基性添加剤と酸性添加剤の両方を含む潤滑油試料の全塩基価を共存する酸性添加剤の影響を受けることなく測定することができた.本FIA法で測定した全塩基価は,従来の中和滴定法による値と良い相関性を示した.また,全酸価測定のためのフロー系をキャリヤー,水酸化テトラブチルアンモニウム溶液及びα-ナフトールベンゼイン指示薬を含む1,1,3,3-テトラメチルグアニジン・塩酸塩溶液の3流路から構成した.このフロー系を用いて,ジアルキルジチオリン酸亜鉛やオレイン酸などの数種の酸性添加剤に対して同一の検量線が得られ,本法による測定値は,従来法による値とよく相関した.本法では,分析速度20試料/hで潤滑油の全塩基価及び全酸価を迅速に測定することが可能で,溶媒消費量も1試料当たり4.5 ml以下であった.
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