進行・再発乳癌に対するドセタキセル,エピルビシン併用療法の多施設共同第II相臨床試験

2012 
進行・再発乳癌の初回治療例を対象にドセタキセル(DOC)60 mg/㎡,エピルビシン(EPI)60 mg/m2の併用化学療法を多施設共同で行い有効性と安全性を検討した。2002 年7 月〜2005 年7 月までに56 例が施行され,抗腫瘍効果はRECIST基準で39 例を,安全性の評価と生存解析は56 例を対象に行った。年齢中央値は53(32〜71)歳で進行乳癌86%,再発乳癌が14%。転移部位は骨54%,局所リンパ節43%,遠隔リンパ節34%,肺27%,肝23%で転移臓器数は3 か所以上が38%。ER+例は59%。投与コースの中央値は6 コース。用量強度はDOC 18.7 mg/㎡week,EPI 18.7 mg/m2week。相対用量強度はそれぞれ93.5%と93.3%であった。治療延期39%,減量が20%に認められた。臨床効果はCR 5%,PR 54%,SD 33%,PD 3%でORR(CR+PR)は59%,SD 以上の病勢コントロール率は92%。1 年次無増悪生存率は78.3%,1 年次全生存率91.9%であった。grade 3-4の有害事象は,好中球数減少82%,白血球数減少71%,発熱性好中球減少16%,食欲不振9%,貧血が7%。DOC とEPI の併用療法(各々60 mg/m2)は,高い奏効率と病勢コントロール率を有した忍容性の高いレジメンである。進行乳癌に対する一次治療の選択肢の一つとなり得る。
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