Study on Ferromagnetic Minerals in Iron Sands in Japan-Iron Sands from Wajiro and Atsumi Peninsula

1960 
砂鉄を工業的に利用する基礎的研究として, 和白産および渥美半島産砂鉄の主成分である強磁性成分(含鉄, チタン鉱物)の組成を明らかにするとともに,選鉱上参考となる知見をえることを目的とした。砂鉄中の含鉄,チタン黒色鉱物を常温で磁石,磁力選鉱機などでその磁性に応じて性質の異なる種々の部分に分け,得られた各部分についてX線回折,格子定数の測定,化学分析など行なって検討した。和白産砂鉄中の鉄,チタン鉱物の主体はイルメナイト-赤鉄鉱系固溶体で,その他極く少量のpseudobrookite,ルチルなどが含まれていた。渥美半島産のものはイルメナイト-赤鉄鉱系固溶体および磁鉄鉱-ウルボスピネル系固溶体と思われるものからなっていた。これら砂鉄中のイルメナイト-赤鉄鉱固溶体のうち大部分は極めて強磁性のもので,イルメナイトにある程度赤鉄鉱が固溶したようなものであるが,両産地のものとも均質なものでなく,その磁性,組成などが連続的に変っているようなものからなっているように思われた。弱磁性部分に量的には少ないが,普通イルメナイトと呼ばれている程度のもの,および赤鉄鉱にある程度イルメナイトが固溶したと思われるようなものが含まれていた。強磁性イルメナイト-赤鉄鉱固溶体については両産地のものとも磁性が強いほど赤鉄鉱の固溶量が多く格子定数は小さくなった。それとともにFe2+よりイオン半径の大きいMn2+の含有量は少なくなり,イオン半径の小さいMg2+の含有量は多かった。
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