[Severe pulmonary hypertension and congestive heart failure in an elderly patient with Basedow's disease].

2009 
症例は83歳女性.生来健康であったが,2007年5月下旬呼吸困難を主訴に救急車で来院した.胸部X線にて心拡大と肺うっ血を認め,心エコーでは左室収縮能は保たれていたが,重症の三尖弁逆流を認めた.三尖弁逆流の最大血流速より求めた右房·右室の収縮期圧較差は103 mmHgと高度の肺高血圧症を呈し,心不全および肺高血圧症の診断で緊急入院となった.血液検査では甲状腺機能亢進症を認め,抗甲状腺刺激ホルモン受容体(TSH-R)抗体が陽性であり,甲状腺エコーでは甲状腺の血流は著明に増加していたためBasedow病と診断した.心不全治療とともに,チアマゾール投与で甲状腺機能亢進症が改善するにつれて肺高血圧症も改善し,発症から2カ月後の時点で肺高血圧症はほぼ正常化した.甲状腺機能亢進症に肺高血圧症を合併することがあるが,甲状腺機能亢進症の治療により可逆性であることが報告されている.本症例はBasedow病を高齢で発症し,発症時に極めて高度の肺高血圧症を認めたという点で稀な症例である.
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