糖尿病合併統合失調症患者を対象としたblonanserin特定使用成績調査 : 日常診療下でのblonanserin 12ヵ月投与の安全性・有効性の検討

2016 
Blonanserin(BNS)が耐糖能に及ぼす影響を日常診療下で検討することを目的とし,糖尿病を合併した統合失調症患者のうち,BNS開始時のHbA1c(NGSP値)が8.4%未満かつ空腹時血糖が160mg/dL未満又は随時血糖が220mg/dL未満で,BNS開始3ヵ月前から糖尿病の病状推移や治療内容を把握できている患者を対象に観察期間12ヵ月の特定使用成績調査を実施した。安全性評価対象237例中,血糖上昇に関する副作用が7例にみられたが,血糖上昇のためにBNSが中止された症例はなかった。なお,体重増加や肥満の副作用はなかった。糖尿病自覚症状,体重及び糖・脂質代謝に関する臨床検査値,心電図所見について投与開始時と投与後の集計解析結果を比較したところ,投与後に有意な悪化は認められなかった。これらの結果は高齢者での解析でも同様であった。有効性評価対象222例での投与後のBPRS合計スコア及び各項目別スコアは投与開始時に比べて有意(p<0.001)に減少し,精神症状の改善を認めた。以上より,BNSは耐糖能,体重,脂質代謝及び心血管系へ悪影響を与える可能性は少ないと考えられ,糖尿病を合併した統合失調症患者に有用な薬剤であることが示された。 Key words : blonanserin, schizophrenia, diabetes, post-marketing surveillance, safety
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