A CASE OF RECTAL PERFORATION WITH EXTENDED EMPHYSEMA AFTER ENDOSCOPIC MUCOSAL RESECTION IN WHICH SURGICAL THERAPY WAS SELECTED
2006
症例は86歳,女性.直腸腫瘍を指摘され, 2005年5月16日にEMR施行した.その際,切除部において深い切開となったため,腸穿孔を疑い,絶食とし,点滴を行い,抗生剤を投与した. EMR後は腹痛はなく, vital signには著変は認められなかったが,血液検査にて白血球およびCRPの上昇が認められた.翌日の腹部・胸部CTにおいて,骨盤内,後腹膜,縦隔と腹部~頸部の皮下気腫症が認められ,内視鏡治療による直腸穿孔で生じた広範囲気腫症と診断した.本症例は高齢で心疾患を合併しており,今後の全身状態悪化・気腫の悪化の可能性が否定できないことを考慮し, 5月19日,緊急手術を施行した.手術所見では,便性の腹水は認めず, S状結腸間膜に気腫性の変化を認めた.穿孔部は,腹膜反転部やや肛門側左壁に認められ,反転部の直腸左壁から前面にかけて炎症が広がっていた.穿孔部周囲を剥離し,直腸切除術を施行した.術後,全身皮下気腫はすぐに消失した.術後34日目に退院し,現在元気に外来通院中である.
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