Two cases of adenosquamous cell carcnoma of the intrahepatic bile duct.
1990
腺扁平上皮癌は, 同一癌病巣に腺癌と扁平上皮癌が存在するもので, 肝内胆管発生の腺扁平上皮癌の報告は極めて少なく, われわれの検索しえた範囲では15例の報告をみるにすぎない.今回, われわれは72歳, 男性, および69歳, 男性の肝内胆管発生腺扁平上皮癌2例を経験した.本症のこれまでの報告例15例に自験例2例を加えた17例で検討すると, 男女比は10: 7と大きな男女差は認められず, 発生部位としては肝右葉8例, 肝左葉9例で, 主訴は胆管炎症状が最も多く, 次いで黄疸などであった.治療の原則は肝切除による腫瘍の摘出であるが, その手術成績は不良で自験例2例目の症例を除いて全例死亡しており, 予後の極めて悪い疾患である.また, 本症の病因の一つとして, 胆汁うっ滞や結石などによる胆管への慢性的刺激があげられており, 肝門部狭窄, 肝内結石が存在する症例では, 本症の合併の可能性を考慮にいれ対処すべきであると考えられた.
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