[Increased incidence of senile dementia in the Hansen's disease sanatoriums of Japan].

1998 
柄沢のボケの臨床的判定法を基本にして、老人たちと最もかかわりの深い看護婦や介護員らにとってわかりやすい5段階評価票を作成し、全生園と愛生園との65歳以上の老人を対象に痴呆の有病率を調査した。 その結果は、生理的なボケを含むと考えられる軽の軽を除くと、全生園の14.39%に対して愛生園は5.72%と極端な差を認めた。この理由を、両隣との交流に難のある全生園と、それが容易な愛生園との不自由者棟の造りの違いから考えてみた。また一般の老人に比較して、ハンセン病療養所では痴呆の有病率がかつては低かったにもかかわらず、最近では逆に高いか、あるいは高くなりつつあるのは、絶対隔離の時代に培われた孤独に耐える強い精神力が、40年、50年の長い年月を経て次第に弱まり、そこを支える子どもや孫が傍にいないことに関連づけてみたが、今後いっそうの検討が必要であろう。
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