Scaffold-free な骨髄間葉系細胞シートの有用性─ 軸索再生とグリア瘢痕形成抑制
2019
脊髄損傷のなかでも最重症である離断型脊髄損傷は,少ないケースではあるが臨床において遭遇する症例のひとつである.現在,打撲型脊髄損傷に対しては,細胞移植や有効な薬剤投与などのさまざまな臨床治験が進められており,それらの一部は臨床応用がはじまろうとしている.一方,離断型脊髄損傷においては,その重症度から神経再生が非常に困難であり,現段階において有効な治療法は定まっていない.脊髄欠損部を充塡するためにさまざまなscaffold が開発され,移植が試みられている.しかし,scaffold の充塡のみでは十分な軸索再生を促すことは非常に難しく,軸索再生を促進する細胞移植との併用による研究が進められている.著者らが開発した骨髄間葉系細胞シートは自家組織から作製可能であり,また,神経幹細胞などの他細胞との共培養が可能な細胞シートである.本稿では,骨髄間葉系細胞シートを用いた離断型脊髄損傷に対する軸索再生効果とその将来性について紹介する.
Keywords:
- Correction
- Source
- Cite
- Save
- Machine Reading By IdeaReader
0
References
0
Citations
NaN
KQI