Clinicostatistical Observation of Noise-induced Hearing Loss

1992 
情報化社会といわれる今日の社会構造の変化は, 新たな騒音環境を形成し, 社会医学としての聴覚医学の分野にも新たな問題が生じつつある。 今回我々は, 1977年から1990年までに当科を受診し, 音響外傷・騒音難聴・職業性難聴・c5-dipを含む広義の騒音性難聴の診断をえた316人548耳を対象に, 騒音性難聴の原因の年次的変化の検討を行い, 社会構造の変化と騒音性難聴の出現について若干の考察を加えた。 対象は男性287人499耳, 女性29人49耳。 年齢は6歳から75歳平均47.7歳であった。 患者数はやや増加傾向があり, 高齢者や軽症例の受診増加が原因と考えられた。 また従来の重厚長大型工場騒音による職業性難聴患者は減少し, 代わりに騒音曝露を自覚しない患者の増加を認めた。 これはまだ明らかにされていない原因が潜んでいるためと推測され, 10歳未満の症例の出現や女性の社会進出に伴う患者数の変化とともに, 今後の研究が必要な点であると考えた。
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