プロトンポンプ阻害薬長期服薬中に胃底腺ポリープにHigh‒Grade Dysplasia を生じた1 例

2017 
症例は逆流性食道炎に対し10 数年のランソプラゾール内服歴がある76 歳,女性。ランソプラゾール内服前より,散在性に径5 mm 大の胃底腺ポリープを認めていた。今回,増大傾向のあるポリープに対し,診断的治療目的に内視鏡的粘膜下層剝離術を施行した。病理組織学的所見では拡張した胃底腺の壁細胞の細胞質が突出する,いわゆるparietal cell protrusion を示し,腺窩上皮の過形成およびhigh‒grade dysplasiaを認めた。dysplasia 部ではp53 陰性,MIB1 強陽性と増殖能が増加していた。また,MUC5AC 陽性,MUC6 陰性,MUC2 陰性であり,胃腺窩上皮型粘液形質を呈した。以上より,腺窩上皮にhigh‒gradedysplasia を伴った胃底腺ポリープと考えられた。下部消化管検査では上行結腸に散在性の大腸ポリープを認めたが,家族性大腸腺腫症は否定的であった。今回,われわれはプロトンポンプ阻害薬投与中に増大した胃底腺ポリープ内にhigh‒grade dysplasia を伴う症例があることを示した。
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