動脈弾性機能の指標であるCAVI(cardio-ankle vascular index)と心機能および心形態との関連性についての検討

2012 
要 旨:動脈弾性機能の指標にCAVIを用いて,血管機能と心機能および心形態との関連性についての検討を行った。CAVI測定と心臓超音波検査を同日に施行した連続543例を対象とした。年齢や性別がCAVI値に与える影響を除外するため,性年齢階級別CAVI曲線を,mean+SDより高いH群,mean±SD以内のM群,mean-SDより低いL群の3群に分類した。左室収縮機能の指標にはEFを用い,左室拡張機能の指標には左室流入血流速度と僧帽弁輪部運動速度を用いた。危険因子保有数が増えるほどCAVIは高値であった。CAVI 3群間と心機能との関連性において,収縮機能の指標であるEFは3群間で有意差を認めなかったが,拡張機能の指標であるe’波・E/A・e’/a’はH群がM群およびL群と比較し有意に低値であった。心形態との関連性においては,左房拡大や左室肥大を認める場合にCAVIが高値であった。多変量解析の結果から,CAVIは年齢および危険因子保有数の影響が大きいことが確認され,心機能や心形態との関連性においては,e’波と左室壁厚とが影響因子になることが判明した。CAVIの上昇と左室拡張機能障害および心形態変化との関連性が示され,CAVIは心室動脈連関を評価するうえで有用なパラメーターになる可能性が示唆された。
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